FUJIFILM のXシリーズを使用し始めてから早10年以上。
レンズも含めて軽くてコンパクトで写りが良くて値段も手頃、何よりフィルムシミュレーションの色に魅了され、もうX以外を使うことはないだろうと思いながら使い続けてきました。
しかし、ここ数年はカメラやレンズが多機能かつ高性能になるにつれ、徐々にサイズが大きくなり、またそれに比例するように値段も高騰していったように思います。
そんな状況もあり「これならフルサイズを使うのとそう変わらないのでは」という思いが徐々に頭を擡げるようになり、心境に変化が訪れ始めました。
では、軽くてコンパクトでデザインだけでなく写りもよく、値段が手頃、そしてフィルムシミュレーションに匹敵する色再現を実現したX以外のフルサイズカメラが存在するか。そんな夢のようなカメラは存在しません。
特に、クラシッククロームやクラシックネガといったフィルムシミュレーションに相当するカラーモードを備えたカメラは残念ながら見当たらず、それが機種変更のいちばんのネックになっていました。
やはりこのままXを使い続けるべきか、悩み続けた折、ついにその課題を打ち破る解決策を見つけました。それがDxO社のFilmPackというソフトウェアです。
FilmPackの存在自体は昔から知ってはいましたが、あくまでもアナログフィルムを再現するフィルタソフト、という認識でした。しかし、Ver.6になり画期的な新機能が搭載されます。それが、FUJIFILMのフィルムシミュレーションをシミュレーションするフィルタです。
これはあくまでもフィルタのため、FUJIFILM以外のカメラで撮影された写真にも適用可能です。そのためSonyやCanonのカメラで撮影した写真に、フィルムシミュレーション(風のフィルタ)を適用することができるのです。
これはもはや事件です。
最も高く分厚い壁を容易く乗り越える手段を手に入れてしまったわけです。
あとは、軽量コンパクトでデザインが好みで写りがよい、お値段そこそこのカメラを見つけることができれば、万事解決です。
そんな中、満を持して本命カメラが登場しました。ご存知、Nikon Zfです。
遡ることちょうど10年前、FマウントでDfという一眼レフの発表に歓喜し、実物を見てあまりのデカさ分厚さに嗚咽したあの名機の、実質的な後継機です。Dfを見て膝から崩れ落ちたあの日、私は高らかに宣言したことを鮮明に覚えています。Dfの厚みが軽減されたミラーレス版Dfが登場することがあれば、必ず買うと。
これで、カメラとカラーの問題は解決、次なる課題はレンズです。
フルサイズとなるとボディは小さいものあれど、レンズは古典物理の世界であり、センサーサイズや性能に比例して極大化していきます。しかしそれも解決策を見出しました。
AFモーターを内蔵しないMマウントレンズやオールドレンズなら、フルサイズのイメージサークルをもってしてもサイズを小さくできる、と。
しかし、サイズが小さくなるからといって、AFの使い勝手が得られなくなってしまっては、本末転倒です。が、これもまたZfなら解決することができます。
なぜなら、Zマウントには、MマウントをAF化させるマウントアダプタがあるのです。その名もTECHART TZM-02。
さぁ、これで夢を実現する策はすべて揃いました。
・カメラはデザインだけでご飯が3杯は食えるNikon Zf
・レンズはMマウント、またはオールドレンズをMマウントに変換
・Zマウントへの変換はMマウントをAF化できるTechArt社のアダプタ
・カラーはFilmPackのフィルムシミュレーションのシミュレーション
前置きが超絶長くなりましたが、ここ数ヶ月の旅路の末、夢を実現した結果をご覧あれ。
(レンズは色々ですが、カメラはすべてZfです)
まずはクラシッククローム。
なんとも言えないけど、70%くらい特徴はつかめているかと。
こちらもまぁまぁ良い線いってる・・・?
こちらはノスタルジックネガ。
本家のノスタルジックネガは使ったことがないですが、雰囲気はOK。
エテルナも良いですが、オールドレンズ特有のフレアが最高。
続いてリアラ。
これはフィルムシミュレーションのシミュレーションじゃなくて、普通にアナログフィルムのシミュレーションです。おそらくVer.8にアップグレードされる時にはデジタル版が搭載されるでしょう。
最後におまけで、みんな大好きコダクローム64、ポートラ400、そしてティールオレンジです。
フィルタ適用後にパラメータをいじれるので、もう少し追い込んでやれば、自分な好きなフィルムシミュレーションに近づけるかなと思いました。
(今週やっとFilPackがZfのRAWに対応したので喜びのあまりの投稿でした。当然のことながら、JPGに当てるよりRAWに当てた方が再現性は高そうです。)
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