ポーランドの古都クラクフから1時間から2時間ほど離れたカトリックの巡礼地、カルヴァリア・ゼブジドフスカ。
巡礼地というだけあって小高い丘のうえに建てられている。
大修道院の立つ丘が聖地エルサレムのゴルゴダの丘に見立てられており、それらを囲むように28の礼拝堂が建てられている。
「カルヴァリア」はゴルゴダ、「ゼブジドフスカ」は17世紀初頭に領主ゼブジドフスキにより
それらの礼拝堂が造られたことに由来しているとのことだ。
マニエリスム様式と呼ばれる多彩な装飾が特徴の礼拝堂は、どれも400年以上の時を経ているが、
今も当時とほとんど変わらず荘厳で優美な姿をそなえている。
建築物、装飾、光、佇まい、、、、全ての要素が完璧に調和していて、
400年前もこうしてこの丘から眼下の平野を見渡すように建っていたのかと思うと、非常に感慨深い。
訪れたのは丁度夕刻で、ステンドグラスや窓から差し込む角度と色をそなえた美しい夕日が、この大聖堂の神秘性をより高めてくれている。
ヨーロッパの建築物は自然光とうまく調和するように設計されている、かどうかは知らないが、
この大聖堂も御多分にもれず美しい光が差し込んでいた。
こういった建物には、朝か夕方に訪れるべきだと改めて感じた。
毎年イースターの季節には、約10万人もの人が祈りを捧げるためにこの一帯の巡礼路を訪れるとのことで、
とても賑やかな場所を想像していたが、夏のハイシーズンにも関わらず人もまばらで、まったりとした時を過ごすことができた。
わずか2時間弱の散策ではあるが、日々の喧騒により荒みきった心と身体をわずかながら浄化し、後ろ髪が引かれる思いで大聖堂を後にした。
これまでの人生の中で最高潮に美しい夕陽を背に。
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