圧巻


4日目朝。
恒例の朝の散歩から。
ポーランドの夏の朝は少し肌寒いが、日本の秋口のようで散歩するにはちょうどいい。
小さな街でもひとつはある教会が、写真のウォーミングアップにもってこいだ。




朝食を終えるとシヴォドニツァの木造教会へ。
実はこの旅の中で4日目に予定していた観光地はほぼノーマークだったのだけれど、これが大当たりだった。
木造教会といえば、ロシアのキジ島にある木造教会には以前からすごく興味があり、
ずっと行きたいと思っているのだけれど、それに匹敵するのではないかというくらい圧巻の建物だった。






このような木造の教会がなぜ建造された経緯がまた興味深い。
16世紀後半に主流であったキリスト教カトリックに対し、そのあり方に疑問を呈する人々、いわゆるプロテスタントがどんどん勢力を拡大していった。
カトリック派はそれを脅威に感じ、17世紀半ばに入ると戦争状態に突入。
戦争の結果、プロテスタントの教会は全てカトリック教会として返還されることが決まったとか。
その後、プロテスタントに対しては一定の条件下でのみ新たな教会を建造する許可を与えたのだけれど、その条件がとても厳しいものだった。

・建造にかかる期間は1年以内であること
・塔や鐘は設けてはいけない
・耐久性のない素材を用いること(木、粘土、砂など) などなど

この厳しい条件をクリアするため、世界でも稀な木造の教会が建造され、
それが今、平和教会群として世界遺産に登録される結果となったのだ。
閑話休題。

教会内部は、一際大きおなパイプオルガンが鎮座していて、時間が来るとその生演奏によるコンサートが始まる。
その音色に耳を傾けながら、大理石調に彩られた木造柱や彫刻などの、素晴らしい装飾を堪能した。




午後は大移動してカルヴァリア・セブジドフスカという丘の上の巡礼地へ。
その前に、東ヨーロッパの郷土料理であるピエロギを食べ腹ごしらえを。
これが餃子の起源なのか、もしくはピエロギの起源が餃子か。
そんなことを思いながら、ポーランド旅ももう折り返し地点だ。





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